ヨーロッパにおける中世から近代の移り変わり

中世における理性と信仰の関係(2)

最近、プロスロギオンというトマスアクィナスと異なる神の存在証明を呼んだのですが、これがなかなか強烈で、第一章は議論ではなく、ほとんど神に対する熱烈な祈りみたいなもので、証明としては現代から見るとかなり奇妙なんです。そして一章の最後ではこう…

地動説から科学へ

さて、今までの自然現象の説明体系と密接に関わっていた天動説から地動説への変換は、様々な疑問が生まれました。例えば、地球が動いても雲が置き去りにされない理由はなんなのかとか。しかも、地動説は今までの説明の根拠であった聖書の「太陽は地球を止め…

人間の尊厳について

人間の尊厳について (アウロラ叢書)作者: ジョヴァンニ・ピコ・デッラ・ミランドラ,大出哲出版社/メーカー: 国文社発売日: 1985/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る ルネサンスの新しい人間観を表現した本としては、一番適当かと。この本…

天動説から地動説へ

科学の発生する契機として、重要であったのはコペルニクスによる天動説から地動説による転回でし。この転回によって、学者たちは従来の世界観を捨てて、新たなものを作り上げる必要がでてきました。なぜなら、従来の世界観の基盤となっていたアリストテレス…

16世紀の怒涛

ジョンロックの「統治二論」を読んで、この時代におけるキリスト教というものがどういうものだったのかと、調べていたら、16世紀のヨーロッパが非常に面白いことに気づいた。もともとママレさんの「まおゆう」を読んで、社会思想史を楽しみ始めたから、そ…

実験が科学を生んだ

授業で科学史を取っているのですが、これがめっぽうに面白く、毎週受けるのが楽しみでしょうがないです。授業の内容は幕末・明治維新前後における日本という、まさに東洋の学問と西洋の学問が衝突する時期であり、物語のダイナミズムが感じられる時期です。…