中世における理性と信仰の関係
理性と信仰の対立はアウグスティヌスにおいて、理性的探求は信仰から出発して神の直観をめざして進む、という考え方でもって統合されている。すなわち、アウグスティヌスは預言者イザヤの「あなたがたはもし信ずるのでなかったのなら悟ることもないんだろう」という言葉をくりかえし引用し、悟るためにはまず信じなければならない、と説く。
(中略)のように、理解し、悟らんがために信じることを出発点とし、信仰の理解という過程を経て、終点すなわち神の直観に到達する、というアウグスティヌス的統合が、中世の全体を通じて行われた信仰と理性を結び付けようとする試みにとっての模範となったのであり、ある意味ではこの統合の破綻がそのまま「中世」の終末を意味した、といってもよからろう。
ジョンロックは、『統治二元論』において、善悪の判断基準を、①神の法則、②公民法、③公衆の意見あるいは流行の法則という三者においていて、一番の神の法則は社会が成り立つ前、自然状態においても成立しているといっているのですが、僕はそこが引っかかってしかたがなかった。ヒュームやアダム・スミスと違い、彼が善悪の判断基準に超越者である神の存在をおいたのはなぜか。それを単なる文化の違い、時代の違いとだけという説明では満足できず、当時のことを調べ始めたのだけど、とても迷走している。というか、ジャングルの中で途方にくれている状態といったほうがよいかも。とりあえず、ジョン・ロックあたりの社会思想史について知るには中世あたりから調べないといけないことが分った。そして暗黒の時代といわれた中世というのが、なかなか面白い。この中世をもう少し探索して、近代に入り、そして現代に辿りつきたい。
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